井川 慶選手
プロ野球選手(オリックス・バファローズ所属)
井川 慶選手
プロ野球選手(オリックス・バファローズ所属)PROFILE
1979年7月13日生まれ。茨城県出身。小学校3年の時から野球を始め、中学生になると右投げを左投げに変え、水戸商業高校時代は「高校生左腕三羽ガラス」と呼ばれる活躍を見せていた。1997年のドラフト2位で阪神タイガースに入団、1999年5月の広島東洋カープ戦で一軍プロ初登板を果たした。2001年はオールスターゲームの出場も果たし、2002年は開幕投手を務めた。2003年は6・7月に4戦連続完投勝利、8月には12連勝を記録し、阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝に貢献した。2007年にメジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースに移籍するが、マイナーリーグでの試合も多くなかなか力を発揮できない時期が続いた。そして2012年、6年ぶりに日本復帰が決まりオリックス・バファローズに入団。新たな戦力としてチーム優勝を目指す。井川 慶選手の学生時代は・・・
プロで活躍して、みんなに恩返しがしたい
中学・高校時代は野球部で、仲間達と共に県大会、甲子園を目指して毎日練習に励んでいました。僕は自宅通学で高校にはナイター設備もなかったので、放課後はそんなに遅くまでは練習できませんでしたが、時間よりも内容の濃い練習ができていたと思います。その中でも甲子園出場はできませんでしたが、県大会に出場できたことは一番の思い出です。当時から僕は腰を痛めていて高校最後の年はあまり登板できなかったのですが、県大会の決勝だけ投げさせてもらいました。結果は負けてしまいましたが、最後にいい思い出を作らせてもらったと思っています。
実は僕は、野球は高校でやめようと考えていました。でも県大会の決勝という大事な場面で投げさせてもらったのに負けてしまったので、このままでは監督やチームの仲間達に何も恩返しができていないと思ったんです。だからプロに行くチャンスがあるなら、プロで活躍してみんなに恩返しができたらと思うようになりました。もちろん、大学に進学して野球を続けるという選択肢もありましたが、腰のことも考えるとプロの球団に行った方が専門のトレーナーからのアドバイスも受けられるんじゃないか。万全の状態でプレーが続けられるのではと考えました。それに何より、少しでも長く野球を続けていたかったからです。
ドラフトでプロへ、そしてメジャーへの挑戦
チームの主力となるための課題は、体の強化だった
入団当初はなかなか一軍に定着することができませんでしたが、2001年頃からチームでもローテーションを守ってタイトルも次第にとれるようになりました。すると次は、もしメジャーで戦えるのであれば挑戦したいと思うようになったんです。僕は中学生の時からメジャーで活躍する野茂選手を観ていたので、憧れと特別の思いはありましたね。そして2007年にニューヨーク・ヤンキースと契約しました。
メジャーは選手の数も日本と比べて桁違いに多く、いくらでも選手はいます。だから打てるか打てないか、ピッチャーは抑えられるかできないか、これが全てなんです。シビアで厳しい世界です。またアメリカでは、メジャー選手への注目度や憧れ度みたいなものをすごく感じましたね。それだけに球場の雰囲気も違うし、エンターテイメント性のスケールも大きい。僕も一軍ではなかなかチャンスがもらえなかったこともありますが、たとえマイナーでも誰かが観てくれていると思ってプレーしていました。
メジャーに行くときには、おそらくもう日本球界では投げることはないと思っていましたが、オリックス・バファローズの岡田監督に声をかけていただき6年ぶりに帰ってきました。もともとメジャーに送り出していただいたのも岡田監督でしたから、その恩返しができればと入団を決めました。
井川 慶選手からのワンポイントアドバイス
ピッチャーは自分の得意球を磨く
(1)ランニング・・・下半身強化のために毎日欠かさず走っていました。僕の場合は近くの砂浜を走って鍛えていました。
(2)ウエイト・トレーニング・・・ベンチプレスを使って主に投手には必要な上半身の筋肉を鍛えていました。他にも腹筋や背筋といったトレーニングも有効的だと思います。
(3)ピッチング・・・特に投手には大事なピッチング練習では、一球も無駄にしないようにイメージを持って投げることが大事だと思います。そして自分の体の状態を把握した上で、練習内容や密度を組み立てることも大事なことです。無茶な練習は故障や怪我の原因にもなりますから。
僕の場合は投手だったので、バッティング練習はほとんどしていませんが、ピッチング練習で身につけてほしいのは、ひとつ自分のいい球を磨くことです。ストレートなのかスライダーなのか、この球で勝負するといった得意球を持つことは強みになると思います。そして毎回練習には、何かひとつ目標を持ってするようにしていました。ひとつずつ目標という階段を上っていくことで、確実に自分の力になるはずです。
※プロフィール等は2014年2月時点のものです。
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