内川 聖一選手
プロ野球選手(横浜ベイスターズ所属)
内川 聖一選手
プロ野球選手(横浜ベイスターズ所属)PROFILE
1982年8月4日生まれ。大分県大分市出身。小学生から野球を始め、父が監督を務める大分工業高校卒業後、2000年ドラフト1位指名を受けて横浜ベイスターズに入団。プロ入り1年目から1軍を経験し、勝負強さと状況に応じたバッティングに加え、長打力の好打者として活躍。2008年にはオールスターゲームに出場し2試合を通じて5打席連続安打を記録し、マツダ・ビアンテ賞を獲得した。レギュラーシーズンにおいては、日本人選手のセ・リーグ記録を更新する打率をマークし首位打者に輝いた。そして2009年にはWBC日本代表に選出され、日本の2連覇に大きく貢献した。内川 聖一選手の学生時代は・・・
3ヶ月の入院で野球ができる有り難みを知った
高校は、父が監督を務める大分工業高校に進学し、野球部に入りました。高校時代は男ばかりでしたが、野球に夢中になれたし、スポーツでつながる友情にも恵まれ、楽しい学生生活でしたね。でも、本当に野球の面白さを感じたのは、高校時代に怪我をして3ヶ月ほど入院してからかもしれませんね。初めて野球をできないという状況に自分がなったとき、「もっと真剣に取り組まなければいけないな」と思うようになりました。これまでは野球ができるのが当たり前のように感じていたんでしょうね、初めて「できる有り難み」を感じました。この頃から野球を通して将来を考え始めたと思います。もちろん将来はプロに行きたいという思いもありましたが、学校の先生になって父のように指導者になりたいという思いもありました。でもそれは、まだ漠然とした将来への希望で、高校時代は野球に一生懸命でいたかったし、甲子園という僕らの確かな目標がありましたから。
僕たちのチームは大分県の決勝戦で負けてしまい、残念ながら甲子園には行けませんでしたが、甲子園に負けないくらい大切な思い出がいっぱいあります。野球を通して同じキツさや喜びを味わった仲間がたくさんできたこと、そして僕自身も精神的に強くなれたこと。本当に中身の濃い3年間でした。
内川聖一選手が選んだ、プロの道・・・
男として、勝負をかけたプロ入りだった
横浜ベイスターズに入団し、プロとして野球をやっていくということは、自分の中でも大きな変化がありましたね。一番はやはり野球が仕事になったこと。一生懸命にプレーすることは変わりませんが、ひとつひとつのプレーに対する責任感が違いました。学生時代はひとつのミスをみんなでカバーすれば成り立っていたところがありましたが、プロの世界は自分のミスがチームの順位や仲間の成績にまで響いてくるシビアな世界ですから。僕の場合、幸運にも1年目からキャンプも開幕も1軍で迎えさせてもらって、入団当初からプロとしての意識の重さを持てたんだと思います。
プロの世界に入って、今シーズンで10年目を迎えます。その中で悔しかった試合も嬉しかった試合もたくさんありますが、やはり一番忘れられないのは昨年のWBCの決勝戦、世界一になった瞬間ですね。日本代表というプレッシャーはありましたが、あんなに純粋に1点が入ることを喜べたのって高校時代みたいでしたね。僕自身「絶対にこいつには負けないぞ!」と闘志むきだしになれたし。そして何より、世界一になれたチームの一員でいられたことが嬉しかった。
内川 聖一選手からのワンポイントアドバイス
派手なプレーよりも、ひとつひとつの基本をしっかりと
(1)キャッチング・・・ゴロをとる場合にも、手前から転がしてもらったボールを素手でしっかり掴むことから始めてください。
(2)バッティング・・・打つ瞬間の力をつけるため、そして正しいバットの振り方を身につけるために、丸太を立ててバットで力を入れて叩くような練習をしていました。そして丸太が向こう側に倒れるように正しい打ち方を練習してみてください。
(3)体づくり・・・野球に適した体や筋力を養うために、ウエイトトレーニングなどがありますが、特に高校生の頃は、器具などを使ったトレーニングよりも、ボールやバットを使って基本となる投げる力、打つ力を養った方がいいと思います。気をつけてほしいのは独学でマシーンなどを使って無理なウエイトトレーニングをすれば、かえって負担になることもあるということです。
練習のアドバイスは以上ですが、何事も積み重ねと継続です。地味な基本練習でも、続けていくことで必ず自分の身となり、力となるはずですから、小さなことから頑張ってください。
※この記事は2010年2月に取材したものです。プロフィール等は取材時点のものですので、ご了承ください。
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